
2019/4/26追記
ようやく自分でハイパークロームAgを曇らせず、暗くならないようにトップコートすることができましたので、そのやり方をまとめました。
ハイパークロームAgで99%変色・曇りなくウレタンクリアでトップコートする方法
以下の内容は2017年頃の古いものなので、無視してもらって上の記事を読んでもらうのがベストかと思います。
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2018/11/13追記
ハイパークロームAgでトップコートクリアーを曇らずに塗装する方法を紹介頂いたので、別記事でまとめました
→ハイパークロームAgでを黒ずみ・曇りなくトップコートクリアーする方法
100%うまくいくわけではありませんが、再現性は高そうです。
メッキ調塗料は各メーカーから販売されていますね。主要なホビー用メッキ調塗料で安価なものですと以下がよく知られていますね。
・メッキシルバーNext
・アルクラッドII クロム
・AMCスーパーミラー
・アルティメイトミラークローム
・プレミアムメッキシルバー
これらの塗料は安価で入手性も高く、特にメッキシルバーNextは人気です。ただその反面塗装で光沢を出すことが難しく、塗りすぎて曇ったりすることも。うまくメッキ感を出してもクリアーコートで台無しになったり、よくよく塗面を見てみると下地の黒の粒子が浮き出てキレイで均一な銀となっていなかったり…
なので、メッキ風塗装はある意味普通の塗装より難易度が高いという印象を持っている人が多いのではないでしょうか。
私も実際にAMCスーパーミラーを使ってみて思ったのですが、想像以上に粒子が荒くキレイなメッキ風にはできませんでした。
実際にAMCスーパーミラーで塗ってみたのがこちらですが…
確かにメッキのような感じはしますが、なんだか暗いし黒の粒子が浮いています。どうしてもこの粒子感が無くならないというのがメッキ調塗料の特徴なので、メッキ塗装にこだわりのある人は使わないほうが無難です。
高価なメッキ塗料は価格に負けない性能だった
さすがにこれは使えない…ということで色々とキレイなメッキ塗装ができる方法を探したところ、普通の塗料のようにエアブラシで使えるメッキ塗料が複数種類販売されていました。有名なのは以下ですね。
・ハイパークロームAg
・プラッカAg
・BLシルバーコート
BLシルバーコートはトライアルが5万円という値段なので手が出ませんが、ハイパークロームAg、プラッカAgあたりは高額ではあるもののBLシルバーコートの半分ほどで購入できます。プラッカAgはベースコート~トップコートまでがセットになって2万円未満なので悪くないと思います。
私はテストピースで練習がしたかったので、ホビーイベントに何度か出展しているハイパークロームAgを今回購入してみました。
ダイソーのプラスプーンでテストピースはいくつも作っていたので、AMCスーパーミラーと比較してみることに。テストピースの条件ですが、
・ベースカラーは黒
・黒の上から2液ウレタンでフィニッシュ
としています。ベース自体を黒2液ウレタンでフィニッシュしても良かったようですが、手元に塗料がないのでラッカー黒→ウレタンクリアーで光沢感のあるベースを作りました。
ハイパークロームAgのエアブラシ塗装の仕方は実に簡単で、今までのメッキ調塗料と同じようにドバ吹きせずごく少量をふわっと吹き付けていくだけです。感覚としては、エアブラシから塗料が出ているかいないかくらいの極少量でOK。徐々に黒光沢から銀光沢に変わっていきます。
一気に噴いてしまうとムラができてキレイな銀になりません。
↑左側がAMCで右がハイパークロームです。ピントをあわせなければどちらもメッキに見えますが、拡大しつつピントを合わせるとその違いは一目瞭然。
こうして並べてみると、表面の質感が全く違うのがわかると思います。右がハイパークロームAgですが、プラスプーンなのに金属スプーンレベルの反射を実現しています。こんな感じで手軽にメッキ塗装が出来るのであれば、使って見る価値は十分あると判断しても良い気がします。
塗装後は36時間ほど乾燥機で乾燥させたあと、専用のウレタンクリアーでフィニッシュとなります。それについてもどの程度変化があるかをまた追記しようと思います。
追記:専用のウレタンクリアーは使いにくい
ハイパークロームAgの専用クリアーなのですが、思っていた以上に乾くのが遅く塗膜が柔らかいため、ハイパークロームAgを重ね塗りするタイミングが非常に見極めづらいです。
説明書には「1時間の熱源強制乾燥のうえ24~36時間の自然乾燥が必要」と記載されていますが、実際にはそれ以上の時間がかかりそうです。キレイに乾燥していない状態で銀鏡塗装すると黒の粒子が浮き出たり、銀色にならず原液色のまま固まってしまうこともあります。
さらに使い方によっては硬化剤が感の中でゲル化し使い物にならなくなる(実際になりました)こともあるため注意が必要になります。ですので、専用のクリアーではなくフィニッシャーズのGP2を下地+トップコートとして使うのが良いかもしれません。
※テストピースではフィニッシャーズのウレタンクリアーGPを活用しています。
詳しくは別記事にてまとめますが、やはりハイパークロームAgでもトップコートは難易度が高いということを予め理解しておきましょう。
メッキ(Ag)塗料のメリット・デメリットを考えてみる
さて、ここではハイパークロームAgを使ってどの程度のメッキ感が出せるのかを試してみましたが、もうほぼメッキですよね。どう見ても。ということで、Ag塗料のメリットは考えるまでもなくほぼ完全なメッキに出来るということです。
コートのクリアーにカラーを混ぜればキャンディーカラーも実現できるので表現の幅が広がるでしょう。
また、Ag塗料の一番のメリットはとにかく簡単なのにウソみたいにきれいに仕上がるということでしょう。メッキ調塗料のコツがわかっている人ならほぼ確実にキレイに仕上げられると思います。
Ag塗装で曇ってしまう原因は塗りすぎ、もしくは下地のウレタンの溶剤が抜けきっていない、という場合でしょう。ですので下地の乾燥は時間をかけて入念に行ったほうがよいです。
ヒーターなど熱源で強制乾燥させられる素材のものはそれでよいですが、プラスチックなどは曲がったり変形することもあるので気をつけましょう。
そしてAg塗料のデメリットですが、とりあえず価格が滅茶苦茶高い、コートなしで触るとすぐ剥がれるってことでしょうか。上からウレタンでコートをする必要があるのでそのあたりの処理が結構難しいですが、そんなところですね。私が今回購入したハイパークロームAgは1本持っておけばこれだけでもう数年は困らない量はあると思います。
プラモやガレキでシルバー部分が多いなら標準サイズの方が良いですが、小さい面積であれば少量タイプでもいいかも。
いずれにせよ、Ag塗料は表現力がかなり高まる塗料ですし、メッキ調塗料で時間を掛けてもキレイに塗れなかった呪縛から解き放たれるという意味でも活用したい塗料だと思います。もちろん、十分な練習をしてから本番に望みましょう。
■2018/1/8追記
専用クリアー以外でトップコートすると、私が試してみた範囲では毎回黒ずみが生じてしまいました。専用クリアーでコートすればくもりは最小限に抑えられました。
専用クリアーで曇るということは恐らく乾燥不足か吹きすぎで銀の粒子を動かしてしまっているのどちらかと考えられるので、もっと上手に吹けるよう練習したほうがいいのかもしれません。
■2018/2/12追記
この塗料よりもガイアノーツのプレミアムミラークロームほうが簡単に塗膜の強いクローム塗装が出来ることに気づきました。
従って、プラモやフィギュア関係でハイパークロームAgを使う必要性はほぼ皆無になったといえるでしょう…。ただし、これはトップコート不可ですので、トップコートまで完全に出来た場合はハイパークロームAgのほうがより質の高い物にできるはず。ただ実現の難易度が高いという…
そのうちテストピースを作ってみたいと思いますが、ウレタン下地+プレミアムミラークロームで映り込みの激しいクロームにできます。が、手でこすると普通にハゲるのでやはりほかの銀塗装と同じく触るのはNGとなります。
■2018/9/17追記
そういえば最近以下のツイートを見かけました。
とうとうAG塗料でMGを塗装!!
エアブラシ塗装ですコレ、控えめに言ってヤバくないですか(゚∀゚)!!? pic.twitter.com/9BQSSI7C1e— Kシェパード (@syunkan715) 2018年9月14日
これ、使用しているのはハイパークロームAGの吹きっぱなしだそうです。ここまではウレタン下地でヌルヌルにしておけば、まあ大抵うまくいくんですが問題はこのあとのトップコートなんですよね。。。
ハイパークロームAG専用の2液ウレタンのトップコートの手順としては、ドライでミスト状に薄くふきかけ、10分程度乾燥を2回程度繰り返し、その後ウェットで仕上げ…という感じなんです。ミスト吹きかけの状態ではきちんと銀色なんです。つや消し状態になりますが、ウェットでコートすると光沢になる…というのがなかなか実現できないのですよね。。。
私がやった時はどうしてもウェットコートしたタイミングで曇ったままだったり、光沢にはなるけど黄ばみが出たり、銀の粒子が動いて黒ずんだり…と散々でした。
最近はハイパークロームAGを販売しているシグナルさんもプラモ用の1液下地と1液コート剤を発売しているうえ、試作動画もアップしてくれているのでそれを参考にトップコートしてみると良いかもです。