デスクで作業するときって部屋の照明だけだとどうしても影ができてしまったり、明るさが足りないなどで手元が見えず作業効率が下がります。これはあらゆる分野で共通の課題だと思うのですが、特にガレキやプラモなど細かい作業をするときには致命的。なのでデスクライトは必須アイテムなわけですが、今回縁あって液晶モニターで有名なBenQさんよりWit MindDuoというデスクライトを試してみませんか?というお話を頂きました。
ちょうどデスクライトを追加したいタイミングだったので「これは渡りに船だ!」とばかりに二つ返事でお願いしました。
なお、この記事はモデラー視点で書いているので読書や学習机への照明としてのレビューとは毛色が違うかと思いますのでご了承下さい。
省スペースで小回りが効き無段階調光・調色が可能なアームライト
これは先に書いておくほうがいいと思うので書きますが、Wit MindDuoにはかなり致命的な弱点がありました。それが「アームのヒンジ(ジョイント)部分が折れる」というもの。Amazonのレビューをみると、1年ほど経過してからボキッと折れたというインパクトのある投稿が画像つきでいくつも書いてありました。1つや2つならまだしも、複数件投稿されていいたためかなり心配だったのですが、念の為それを担当の方に尋ねてみたところ、「現在は厳しい基準で生産管理を行っており、壊れた場合でも丁寧に修理・交換対応できるサポート体制を整えているため今販売している製品に関しては問題ない」という回答を頂きました。
確かにAmazonのレビューを見ていても交換・修理対応に関してはかなり丁寧に対応してくれるみたいです(なんと保証期限が切れたものについても無償修理なんてケースも…!すごいですね)。なので、多分多くの人が気になっているこのアームのヒンジの折れについては、現在は心配しなくてもいいのかなと感じます。
このような箱で送られてきました。
同梱物は説明書(英中日)と本体ですね。
このライトにはスタンドタイプとクランプタイプの2つがあるのですが、スタンドだと邪魔になるかもしれないのでクランプの方を選んでいます。
電源ケーブル自体は照明器具とかでよくあるグレーの丸打ちコードが使われていますが、ACアダプタはなぜか黒色です。なぜかは知りません。
非常にシンプルな見た目で軽く(アーム部分はアルミ製)、かつコンパクトです。山田照明のZライトを並べてみるとコンパクトさがわかります。
設置はクランプにポンと挿すだけ
設置は非常に簡単で、まずクランプをデスクのフチに取り付けます。クランプの裏側にはゴムシートが貼ってあるので滑りにくく机が傷つきにくくなっていました。これは地味に嬉しいです。
そしてこのクランプに本体を設置するだけです。簡単ですね。
ただしこのクランプ、クランプ自体はガッチリと固定されているので動きませんが、ライトを動かすとライトの本体がちょっとぐらつきます。裏のビスをしっかり回しても変わらないのでそういう仕様なのかもしれません。もちろんすっぽ抜ける、なんてことはないですが、ちょっと気になります。
設置時の作業机の全体像はこんな感じ。
ライトが横に長く、さらに湾曲しているので光の照射範囲が結構広いです。
ちなみにZライトだとこうなります。比較するとZライトのほうが照射範囲が狭いです。まあ傘の形状的にしょうがないんですけどね…
Zライトはアーム部分がクソデカすぎて塗装ブースの台にアームを設置する必要がありましたが、Wit MindDuoはアームがコンパクトなので作業机に設置しても問題ありませんでした。
可動域はZライトと同じように広く自由度が高いので、単純に空間を圧迫しない程度にアームがコンパクトなWit MindDuoの方がいい感じはします。Zライトはもっと大きな机とかだと本領発揮できるんですけどね。うちの作業机にはちょっとアームが長すぎ感はありますし。
電源のオンオフは手をかざすだけでできる
Zライトは傘の頭にあるロータリースイッチをひねってオンオフしなければいけないんですが(これが地味にめんどくさい)、Wit MindDuoはライトのセンサー部分に手をかざすだけでオンオフが可能。作業時に粉まみれ・塗料まみれだったりであんまりスイッチを触りたくないのですが、これなら直接触れなくてもライトのオンオフができるので率直にありがたいですね。
ちなみに、このセンサーはなにかしらの物が近づいたら感知するので実際は手のひらじゃなくても問題ないです。
神ヤス近づけるとオンオフできるライトがこれや pic.twitter.com/VQbslbSxca
— 隙間三行-sukima (@sukimasangyo2) August 8, 2020
極論手のひらが近づけられない状態なら腕でもいいし、神ヤスとかをスッとセンサーに近づけるだけでもオンオフできます。
また、人感センサーについては結構感度が良くて、デスクに近づくと自動でライトがONになります。ただしライトを下に向けすぎていたりするとセンサーの感知範囲に入らずにライトがつかないということになります。まあその場合はライトに手をかざせば電気がつくので問題はないと思いますが。
この人感センサーについては好みが分かれるところ(数秒間近づいただけでオンになるとめんどくさい、という人もいるはず)だと思います。個人的には面白い機能だとは思うのですが、できれば必要なときにライトのオンオフできればいいかなと感じますね…このあたりはしっかり使ってみたら評価が変わるかもしれません。
無段階調光・調色ができる
このデスクライトの最も優れているところは、無段階調光と色温度の変更ができるっていうところだと思います。無段階調光ができるライトは他にもありますが、色温度の変更は3段階固定とかだったりします。その点Wit MindDuoは2,700K〜6,000Kまでの間である程度自由に調節ができるため、自分の作業に適した色温度にできるのは結構すごいです。
ただ、私自身はほぼ6000Kの青白い色じゃないと作業できないので色温度の調節についてはほとんど使うことはないかなという感じ。調光も最大値じゃないとだめなので、実際のところ固定でもいいわけです。これも使い方次第になると思いますね。
ライトが横長なので作業していても頭にぶつからない
Zライトで一番困っていたのが、集中して細かい作業するときなんかにライトの傘に頭をぶつけてしまう問題。いや、これマジで困るんですよ。
彫りとかやってると結構下を向いて作業する上にライトを近づける必要があるので傘の手前の部分に頭をぶつけがちです。かといって近づけないと見えなしで地味に嫌だったんですよねえ…
Wit MindDuoであれば、傘部分が出っ張ってないので頭をぶつけることはないです。
これについては割とガチでありがたい部分なので、アームライトの傘が細かい作業するときめっちゃジャマ!っていう人にはおすすめできるかなと。
ライトからスマホへの給電が可能(ただし急速充電出は無理)
アームスタンドの付近にUSBポート(TypeA)があります。これにダイソーに売ってるTypeA→TypeC変換アダプターを噛ませてやることでスマホへ給電が可能です。私は作業モニタリング専用のスマホを作業机に置いていて別の場所から給電していましたが、これからはこのポートから充電できそうです。
まあ別にこういう下駄はかせなくても、TypeA→TypeCのケーブル用意すれば直に充電できるのでそっちのほうがいいかと。
ただし注意点として5V/1A=5W の電源なので急速充電はできそうにない感じです。急速充電についはスマホのスペックを確認つつ、ACアダプタが対応しているかどうかをチェックする必要があります。最近のスマホは急速充電するには5wでは全然足りません。仮にできたとしても相当古い端末じゃないと無理だと思います。
最近の端末であればiPhone11やPixel4は18w、Xperia 1 II であれば21Wで急速充電となります。iPhone SE 2020でも急速充電となるのは18wなので、基本的にこのUSBポートから急速充電はできないと思っておいていいでしょう。
まあ私の場合はモニタ用なので動かしませんしほぼ繋ぎっぱなしなので全く問題ないですが、普段使いのスマホがギリギリまで充電が減っている場合は素直にACアダプターにつないだほうが早く充電できると思います。
Wit MindDuoが向いてる人・向いてない人
はい、ここまで約3000文字近く使ってWit MindDuoのレビューをしてみました。長文書くの結構好きだからどうしても長くなっちゃう!
と、駄文を挟みつつ向いてる人・向いてない人をまとめると以下のような感じになるかと思います。(主にモデラー向け)
向いてる人
・ライトの傘があると頭をぶつけて集中できない
・手がふさがったり汚れたりすることが多い
・無段階調光・色温度の調節をして自分好みの照明が欲しい
・作業机でスマホで資料を見たりする(充電もしたい)
・狭いからできるだけコンパクトなアームライトが欲しい
向いてない人
・調光・色温度は電球交換で対応すればいいと思っている
・ライトが汚れようが使えれば問題ないと思っている
・センサー?いらんし…
ざっくりとですがこんな感じでしょうか。
Wit MindDuoのクランプタイプは若干軸がグラつく
アームやライトの角度調節時にちょっとギシギシ音が鳴る
値段が率直に言って高い…
などイマイチかもしれませんが、無段階調光・調色、センサーによってライトに触らなくてもオンオフ出来るというメリットがあるわけです。それをどうとるかは見た人次第ですが、壊れたときの保証もしっかりしていると直接お伺いしたので、総合的に考えるとデスクライトの選択肢の一つに数えてもいいんじゃないかな、と感じます。
まあモデラーであれば「2万5千円も出すならキット何個か買えるじゃん!」と考える人もいると思いますし、ぶっちゃけ私もそう思います。
とはいえ、キットばかり買っていても肝心の作業スペースやツールが整っていないといい仕上がりにつなげるのは結構難しいです。(これマジな話ですよ)
なので、いい加減照明をどうにかしたいと思っている人は候補の一つに入れてみるのもありかと思います。
おまけ 照明二灯環境だとさらに作業しやすくなる
照明は多ければ多いほどいいぞ!ということで、私はZライトと併用しています。ジャマかと思ったんですけど案外ジャマになりません。まあどちらもアームなのである程度自由に位置決めできますしね。
しかもWit MindDuoの調光・調色機能を使ってZライトの方の電球に揃えられるので、明るさ2倍でめちゃくちゃ作業しやすいです。二灯環境だとルームライト自体が不要になります。しゅごい。
左右から照らすようにすれば頭をぶつけることもないですしね。
あと、物撮りするときも二灯あるとはかどります。ライト1つだけだと以下のように影ができまくります。
ライト2つなら影の存在感を薄くできるので物撮りやちょっとしたスナップに使いやすいと思います。
ちゃんと背景を工夫してレフ板とか用意すれば多分この二灯照明で撮影もできなくもないかな…?って感じではありますね。
そういうわけで、今後はこのWit MindDuoをフル活用させていただきつつ制作を進めていきたいと思います。