今回からちょっと趣向を変えてガレージキット制作の記事も書いていきたいと思います。今まで特にガレキに興味はなかったのですが、どうしても組みたいキットがあったので色々準備して取り組んでみたところ、思ったよりもうまく仕上げることができたのでハマってしまいました。
というわけで、1作目となるR17さんの保科智子ver.tsuinaの組み立てについて書いていきます。
パーツチェック
まずはパーツチェックから。全てのパーツが揃っているかを確認します。ちなみに、パーツチェックをせずにそのまま放置して1年とか経過してしまうとディーラーさんにパーツ請求ができなくなります。連絡がとれなくなることもあるので、最終的には自分で足りないパーツを作る羽目に。(対処できるならそれでOK)
そうならないためにも、最初にパーツに不備がないかどうかのチェックは怠らないように。今回は特にそういったこともありませんでした。
表面処理(バリ取り・やすりがけ・気泡埋め・離型剤落とし)
次に表面処理です。バリの場所によって処理の細かさも変わってくるので、どう処理するかも考えたいところ。
このキットのバリは胸付近にもあったので段差で違和感がでないようにヤスリがけしました。
太ももにあった大きなランナーは指で折れるようなものではなかったのでノコギリでカット。
ボディ部分のバリを取り除くとこのような感じに。
曲線美が非常に美しいですね。
全てのパーツのバリ取りが終わったら気泡チェックをします。気泡チェックはサフを吹いて見つけるのが普通ですが、サフ→落とす→埋める→塗装の手順が面倒なので、今回はサフを吹かずに光の反射を使って気泡があるのかを見つけていきました。
太ももやひじ、指先に気泡が見つかったのでシアノン+ベビーパウダーで埋めていきます。アロンアルファなどの瞬間接着剤でも普通に埋められますが、サフレスにしたいのでシアノン+ベビーパウダーで処理。
固まったらざざっと400~600番のヤスリで磨きます。耐水ペーパーを使うと削りカスが出にくいので◎。レジンの削りカスを吸うのは体に良くないですからね。出来れば防毒マスクを付けて作業したいところ。
仮組み~接着、表面処理最終チェック
概ね表面処理ができたらとりあえず仮組みです。概ね形が見えてきました。
塗装については特に問題ないのですが、どうするかと悩んだのが太ももや腕の接続部の処理です。
今までのR17さんのキットは腕や足は継ぎ目が出来ないよう靴下や腕輪などで処理されていたのですが、今回のキットはそれがなく全て地肌となっています。サフレスの場合、こういった継ぎ目はかなり目立つのでどうするかと悩みました。
結果だけ言えば、接着する→継ぎ目部分だけ白サフ厚塗り→塗装でうまくいきました。それについては後ほど見てもらえばわかると思います。
とりあえず仮組みの続き。頭部は頭1パーツ+前髪2パーツで構成されています。なので、適当に真鍮線を取り付け。
こんな具合になりました。全体でみるとこのように。
次は軸打ち。ガイドを頼りに太ももや足付近に2mmの真鍮線を打ち込みます。穴あけは小型の電動ドリルなどを使えばラク。
特に問題はなさそうだったので、離型剤を落とします。
全てのパーツをクレンザー+中性洗剤を水で割ったものに一晩漬けます。その後歯ブラシなどで丁寧に磨き、水分を落とします。
塗装直前にもう一度手の皮脂などを落としますので、全ての表面処理が終わるまでこの洗浄剤は残しておきます。
大抵の処理は終わったのですが、まだ細かい部分の表面処理は残っています。
例えばこういった指の側面部分にもバリが残っているので、細い棒などにヤスリを巻いてバリを処理していきます。
あらかた処理ができたら接着に入ります。普通は接着する前に塗装を終わらせるのですが、このキットは継ぎ目の腕輪や靴下がないので塗装してから接着すると継ぎ目がキレイになりません。
なので、一度ボディを全部つなげてから全体塗装することにしました。
シアノンをむにゅる程度につけ、乾燥後にヤスリで表面を整えます。やはりシアノンでも接合部の色はレジンと同じにはなってくれませんので、このままでは接合部が目立ちますね。
途中で腰辺りや太もも裏、接着部に気泡群を見つけたので、シアノンで埋めてヤスリで整えました。
気泡群を見つけると少し気が滅入りますが、整えた方がキレイな塗装に出来るので労力は惜しみません。
これで概ね表面処理は完了です。次はこの継ぎ目を目立ちにくくするために、白サフを吹きます。はい、結果はこのようになりました。
まあ多少は目につきますが、最初ほどは目立たなくなったのがわかると思います。この程度であればサフレスでも十分気にならないようになります。
塗装(ボディー塗装・面相・髪の毛・)
ようやく塗装に入ります。正直言って表面処理より塗装の方が圧倒的にラクだし楽しいです(気分的に)。
まずはボディ全体にシャドーとなる色を塗っていきましょう。もちろん塗装はエアブラシ。塗装前に全体にプライマーを吹いておきます。
塗料はガイアノーツのサフレスフレッシュオレンジ、サフレスフレッシュピンクを半々、あとはクリアー、薄め液で適当に割ったものです。どうしてクリアーを混ぜるかというと、食いつきを良くするためです。
影となる部分をメインに、少し濃いめに塗っていきます。シャドー吹きが終わったら全体的に色をなじませるよう同じ塗料を吹きます。
オレンジの色味が強くなってきましたね。人によってはこのサフレスフレッシュだけで肌色を終える場合もあるようですが、私はこの上からガイアのノーツフレッシュ、ノーツフレッシュホワイトを半々とシンナーで割った塗料を吹き付けます。
その方が、より立体感があり艶めかしい肌色になります。
とりあえずバストトップまで塗りました。今回サフレスフレッシュピンクを薄めて塗りましたが、心配ならエナメル塗料で求める色を作って塗るのも良いですね。エナメル塗料なら盛大に失敗してもすんなりリカバリー出来ますし。
さらにエナメルクリヤーを吹きます。
周りに飛散しないよう、パンチで穴を開けたコピー用紙などでマスキングするとGood。
この際対象物から多少浮かせることで、きれいなグラデーションになります。
概ねこれでボディ全体の塗装はできたので、顔や髪の塗装に入ります。
目と口はエナメルで塗りますので、マスキングしておきます。
そのうえで、全体にプライマー→肌色→マスキング剥がし→クリアーコートの順番で。
ちなみに、目は3回ほど描き直しました…。
まず1回目はこのような具合に。
全て筆で書いたのですがグラデ部分がぐちゃぐちゃ、目の輪郭がヨレヨレになったのであえなくドボン。
そして2回目のチャレンジ。
メイクまでやってみましたが、やはり筆できれいなグラデーションは作れません。ということで、もう一度ドボン。2日ほど格闘しましたが、最終的にグラデ部分をきれいに塗るにはエアブラシしかないと悟りました。
気分転換に髪の毛を塗りました…。
使った塗料はガイアのナチュラルブラウンとex02ブラックですね。作例だと黒髪ですが、黒だとグラデを作るのが難しくなるのでナチュラルブラウンを先に塗り、あとから薄めた黒を毛先に少しだけ塗っていくという具合でした。
本当は髪にもサフは吹いておいたほうが良いのですが、忘れてしまったので下地が透けてます。ナチュラルブラウンとオレンジ辺りを混ぜるともう少し明るい髪色になるかもしれません。
髪の毛も塗れたので面相描きに戻ります。
前の2回は黒いエナメル塗料で輪郭や眉を描いていたのですが、ちょっと黒すぎて見栄えが悪いと感じたため、適当に赤、黒、オレンジを混ぜてブラウンを作り、この色で下地を作ることに。
流石に3度めの正直ということで輪郭の描き方もわかってきました。筆でまず大雑把にあたりを描いて、その後不要な部分をエナメル溶剤を染み込ませたMr.綿棒で削ります。
輪郭、眉ともにキレイに描けたらガイアのex04クリアーでコート。クリアーで保護すれば失敗してもすぐにやり直しできます。
次に、目の部分を大雑把にマスキングし、エナメル塗料でグラデーションを作ります。
使った塗料はエナメルのクリアーオレンジ。目の下側を薄く、上が濃くなるよう適当にエアブラシで吹きました。
問題なければクリアーで保護。そして目の虹彩をさらに書き込みます。この時目線がどこを向いているのかをきちんと意識しておかないと、変な方向に目線が行ってしまうので注意!
口の塗りはエナメルの赤と白を混ぜてピンクを作り舌を塗ってます。口のふちはブラウンで塗りました。ちょっと雑になってしまいましたね…。
顔のチェック
問題なければつや消しを吹いて最後のメイクを行います。
瞳にハイライトを入れ、メイク、口の塗りまで終わらせたのがこちら。
目のハイライトと頬のハイライト、どちらもMr.綿棒でドット入れしました。チークや目の周りはウェザリングマスターHを使っています。
はじめにピンクをうっすら塗って、それからオレンジを重ねることで発色が良くなります。適当にボディとくっつけてみるとこうなります。
まあ、悪くはないんじゃないでしょうか。
委員長は眼鏡キャラなので、眼鏡もきちんと装備する必要があります。キットに含まれているペーパークラフトの眼鏡がこれ。
接着剤を染み込ませると強度が高まるとのことでしたが、頭部とのかみ合わせの関係上、黒で塗装しただけでそのまま使っています。
そして眼鏡を組み合わせるとこのようになります。
はい、概ねこれでもう完成ですね。
エプロン塗装
最後にエプロンを仕上げていきます。エプロンは本体と違いアイボリーのレジンなので、白サフが必要になってきますが、その前にこちらも表面処理。
ランナー跡やバリ、気泡による穴などが結構あります。細いパーツもあるので慎重に修正…。
とりあえず下地ができたら白サフを全体に吹きます。
その後、エプロンの日も部分を残して全てマスキングし、青色で塗っていきます。
青色はガイアのウルトラブルーと黒を混ぜたもので紺色に近い物を作りました。
で、これをざざっと塗った結果がこちらです…。いや、実際には一度ドボンしてますが…。青じゃないところも青で塗っちゃたんですよね。こういうのは塗り分けを間違えると即ドボンなので気をつけないといけないですね…。
というわけで委員長完成しました。
別の記事で写真をまとめます。
作った感想
というわけで、R17さんのガレージキット、保科智子ver.tsuina、なんとか完成しました。完成までに半月くらいはかかったんじゃないでしょうか。
ただ、気泡も少なく細かいパーツもそんなに無かったので作りやすかったです。肌色を上手に塗る貯めのいい練習になりました。
作例では日焼けになっていましたが、今回は普通の肌色で塗っています。また別のキットで日焼け表現の練習が出来たらいいなと。
mamoさんの作るキットはボディラインが美しいので、これからもいい作品を作って欲しいですね。