かなり昔に販売されたコブラ会のY乙J氏の久寿川ささらが手に入ったので制作します。久寿川ささらのガレージキット自体があまりなく、また露骨なポージングのものもないためこのキットはかなり貴重なものだと思います。
なので、たまたま手に入ったのはある意味ラッキーということで、約1ヶ月ほどかけて組み上げました。
※当記事は露骨なR18表現があるため未成年の方や不快に感じる方はブラウザを閉じてお戻りください
気泡埋めと部分成形
このキットは古いので抜きが悪くところどころ穴が空いていたりシリコン型が隙間に詰まっていたりと下地処理が大変でした…。
造形に関してですが髪は多少ダルいもののボディはリアリティがあり、かつ肉感的でした。とりあえず制服などは後回しでボディの下地処理を行っていきます。
ボディはなぜか肌色レジンで整形されていたため、シアノンに適当に調色したラッカー塗料を混ぜて埋めていきました。
ここには立派な一本筋があったのですが、このポーズでこれは違和感を感じたため一度埋めてシワ造形に。こちらのほうが自然な気がします。
足の裏にはド派手なランナー跡があるのでこれも削っていったのですが、シューズの溝を大きくぶった切っているため処理に難儀しました…。
足にも気泡があるので埋めていきます。ここは最終的に黒で塗装するため、シアノンの色はいちいち調整していません。アイボリー色ですが、黒い色で塗装すれば意外とわからなくなります。
足の裏は最終的にはこのような具合に。なんとか溝を残せましたが結構ガタガタになりました…。
仮組み~塗装
次は適当に仮組みします。髪はこの時点で塗装があまり必要がなく、レジンの色が出るほうがいいと感じたので大した塗装はしませんでした。
陰影を付けて写真を撮ってみると仮組みの時点でY乙J氏の造形に対するこだわりが出てくるので面白いです。
とりあえずボディを塗ります。塗装にはガイアのサフレスフレッシュのオレンジとピンクを混ぜたものを使いますが、オレンジの割合が若干多め。
肌色レジンなので影となる部分に吹き付けていき、最後に全体に一吹きするだけで十分でした。
この状態で仮組みするとこうなりました。
そして次にピンクで着色すべきところを塗装します。
(※このあたりから露骨になるので写真にはモザイクをかけています)
エナメル塗料のクリアーレッド、クリアーオレンジを適当に調色し、エアブラシの吹き出しと圧を小さめにして慎重に塗装していきます。
バストトップが大きめに造形されているためそれに合わせて塗装したところ、ちょっとリアルになりすぎて自分でもびっくりしました。
髪の塗装
さて、ここから髪の塗装です。といってもレジンカラーがキャラ的にはマッチしていたので、アイボリーっぽい色で塗装していきます。
その前に薄めにホワイトサフを吹き透けている部分(レジンが型に流れ込んでいなかったのが原因?)を隠します。その後ガイアの純色イエロー1滴とホワイト(多め)を混ぜてアイボリーに近いカラーを作り重ねて塗ります。
その後、適当にマスキングして前髪のリボンをエナメルカラーで塗装しました。この状態で仮組みするとこうなります。
髪の毛を上手くアイボリー色にできたようです。
足の塗装
次に足の塗装です。足は黒ニーソとなっているのですが、ベタ塗りすると風情も無いので明暗を付けて塗装していきます。
伸びている部分は色が薄くなり、シワが寄っている部分は色が濃くなるということを意識しながら塗っていきます。ニーソの塗装ができたらマスキングしてシューズを塗装。
細かい部分ですが、先に白(ガイアのアルティメットホワイト)で全体を塗りさらにマスキングして赤を塗ります。この赤はクリアーレッドを使いましたが、普通の赤でもよかったと思います。
ここまでできたらボディと足につや消しを吹き塗膜を保護。質感的にもリアルになってきました。
制服の塗装
ボディと足、髪ができたので次は制服です。まずホワイトサフで全体を白く塗り、その後ホワイトサフとクリアーレッドを混ぜたピンクで塗ります。
全体をピンクで塗れたらマスキングして襟や袖の部分などを赤(クリアーレッド)で塗ります。
白のラインもエアブラシで塗装するのでさらにマスキングして白を重ね、マスキングを剥がすとなんとかいい感じになっていました。死角になる部分は頑張って気泡埋めしたり塗装する意味がないので結構適当です。
顔の塗装~メイク
とりあえず全体が仕上がってきたので最後に面相をやっつけます。肌色レジンの場合、瞳を一度白にしなければならないというのがネックですね。白レジンなら特に意識しない部分なのですが。
顔全体にマスキングをし、はみ出ないように白サフを塗ります。
ここまでできたら次はエナメルカラーで焦げ茶色を作り目の輪郭を描いていきます。描けたらラッカークリアーでコート。この時点で問題があればやり直します。視線などの向きを意識しながら、問題なければ次の工程に。
眉毛は若干濃いめのアイボリー色を作り描いています。最近のガレージキットだと眉毛も造形されていますが、昔のキットなので自由に描いてくれってことなんでしょうか。
クリアーコートがしっかり固まったら目と口をエナメルカラーで塗装します。
目はツヤ感を残したかったので、つや消しを吹く前にガイアのマスキングコートを塗って保護→つや消し→マスキングコート剥がしという工程でツヤを残しています。
最終的には右側の写真のようになりました。目のハイライトには白でドットを打っていますが、ツヤのおかげで自然なハイライトも入ります。
面相ができたので組み上げます。基本的に接着はせず軸打ちのみなので、組み上げも分解もラク。
かなりアウトなゾーン。塗装一つでリアルになってしまうので恐ろしいものです。
露骨なポージングのキットでしたが、全体的に柔らかい仕上がりになりました(?)髪がアイボリーで透け感が残っているのも要因かなと思います。
というわけで、なんとか完成しました。
完成まで約1ヶ月とそれなりに時間はかかりましたが、思った以上の出来になりました。
版元であるアクアプラスのキャラはこういった露骨なキットはもう出せないという話ですし、かつてはこういうキットもあったということで時代の変化を感じる次第です。