豆知識

もえたく・にじおう等の新興宅配買取でフィギュアを売ってはいけない理由

もえたく・にじおう等の新興宅配買取でフィギュアを売ってはいけない理由

PVCフィギュアの塗装完成品は日増しにクオリティも上がってきているため、新しいものが出るたびに欲しくなってしまいますが、問題となることの一つにスペースの問題があります。スペースが無くなったから新しくフィギュアを買えないという方はたくさんいると思いますし実際私もそうで、年々PVC完成品を購入する数が減っています。2018年ではもう新しいフィギュアは1点くらいしか予約してません。

既成品フィギュアは箱やブリスターも商品として扱われるため、丁寧に保管しておかなければならないことも部屋のスペースを大きく圧迫する理由。もちろん他にもフィギュア趣味自体に飽きたり、別の趣味が出来て換金する必要ができた、彼女や家族からそろそろやめてと言われた、などの理由から手放すことを検討している人も少なからずいると思います。

フィギュアを手放すことは別に悪いことではありません。むしろ部屋もスッキリしていいじゃないかという考えもあります。自分が楽しんだ趣味を清算するのは気乗りしない場合もあるかもしれませんが、終わってみればなんだか清々しい気持ちになれるはず。フィギュアはある程度換金性があるため、これを元手に新しい趣味の道具を購入したり、あるいは新生活の資金にするのも悪くはないのです。

ですが、これだけは言っておきたい。

もえたく・にじおう等の新興宅配買取でフィギュアを売ってはダメです。

なぜもえたくやにじおうでフィギュアを売ってはダメなのか

この理由を簡潔に言うと、全てのフィギュアにおいて買取価格が異常に安いからです。
それは私が所持しているフィギュア50体を試しに自動査定にかけてみたことで判明しました。
なお、状態については無視し「概ね美品」として作成したデータです。過去にあみあみに買い取ってもらった時、参考買取価格から3.5割引(35%引き)で買い取ってもらったものが多かったため、平均的な目安として3.5割引価格も算出しました。(あくまでも目安で物や状態、人気の騰落、再販等によって割引率は変わります)

この表はフィギュア買取でよく使われる駿河屋、あみあみを先頭に、「フィギュア 買取」で検索した時によく紹介されているもえたく、にじおうでの自動査定結果をもとに作成しています。

※なお「仮」は登録がなかったため他の自動査定結果をもとに私がこれくらいの査定額になりそうだと予測で出した値段です。

表をざっと見てもらえればわかりますが、もえたくやにじおうは買取価格が異常に低いです。

マックスファクトリーの「ヨーコリアルイメージver」の参考価格は駿河屋が14500円、あみあみが18600円なのに対しもえたくだと1万円すら越えず7000円、にじおうだとなんと2600円と悪い意味でとんでもない買取額になっているのです。もちろんこれだけでなく、マックスの「黒咲芽亜」「モモ」「サーリャ」など中古市場である程度の価値がついているものですら二束三文で買い叩かれることになります。

買い取る時点で大きく減額しているので開封済みでも減額なしというのはある意味当然で、これ以上減額されたらそれこそタダで処分しているようなものです。もっとも、値段がつかなくていいからとにかく処分したいという人は気にしないかもしれませんが。

しかしながら、一定期間は自分の趣味としてじっくり楽しませてくれたアイテムをタダ同然で処分することになるのはあまりにもひどいと個人的には思いますし、一定の市場価格(価値)があるのだからそれに則ってまた別の人の手に渡ってもらう方が気分的にも良い気がしませんか?

造形からなにから大好きな作品だけど泣く泣く手放すことになったとき、きちんとそのアイテムの価値を見出してくれる査定システムになっているお店と、有象無象と一緒くたにして足元を見た安値買取のお店、どっちが安心して買取に出せますか?という話なんです。

フィギュアを買取に出すのは基本ものすごく面倒くさい作業

フィギュアを買取に出すのはそもそも面倒くさい作業なんですよね。フィギュア自体に傷やスレ、色落ちはないか、破損はないか?をチェックし、箱自体もスレや色落ちがないかを見なければなりません。それが出来たら梱包し、買取店へ配送するわけです。

もちろんその前に査定をしてもらわなければなりませんが、この査定してもらうというのも面倒くさいんですよね。一応もえたくやにじおうは自分で査定額をチェックできるシステムを組んでありますが、データベースが貧弱で価格登録してあるフィギュアがびっくりするほど少ないです。え!?なんでこれが登録されてないの?!と驚くことが多く正直使えない感がすごいです。

他にも買取価格をサイトに掲載しているお店もありますが、システム化されていないため掲載していないフィギュアの価格を知りたい場合は直接メールやフォームから連絡する必要がありますが、わざわざ名前や住所を入力しなければならず、その上目安価格がわかるまでに最低でも1日はかかってしまうため、こちらも死ぬほど面倒くさいのです。

これだけで買取に出す気力を失わせるには十分だと思います。

アイテムの価値がわからないお店にフィギュアを売ってはいけない

新興宅配買取のお店って運営母体をたどればジャンル的に得意なものとそうでないものがぼんやりと見えてきます。例えばにじおうは買取王国(3181)で、もえたくのネットオフはリネットジャパングループ(3556)が母体としてあります。

実はどちらもホビー系(フィギュア)は得意ではありません。どちらかと言うとファッション系や本・CD、小型家電のほうが得意です。買取王国の通販サイトを覗いてみると、そもそも扱っているフィギュアの点数も少ない事に気づきます。

プレミア価格がついているものはやたら強気なのにそうでないものは相場より2割ほど安かったりと値付けもちぐはぐ。私は以前買取王国であるガレージキットを購入したのですが、相場の4割~5割引きで購入したのをよく覚えています。購入する側としてはかなりのお得感がありましたが、価値がわかる査定員がおらず最新の値段付けが出来ていないことがわかります

こういったことを鑑みると、購入するにはいいですが買取で利用するのは控えたいところですね。

ちなみに、もえたくは買い取った商品をAmazonのマーケットプレイスにて販売していますが、こちらもやはり安値で買い取った商品をやたらと強気で出しているところは同じですね。

例えばコトブキヤのリンナはもえたくで(2018/8/23現在)買取価格が5300円、Amazonもえたく店では販売価格が13380円で2倍以上の値段となっています。2018/11に再販が決まっていて10584円(定価)で予約できるのにわざわざ買う人いるのかな?という印象しかありません。

このことからも、相場を把握できている査定員がいないのでしょうね。
どちらも上場企業だから安心というイメージを持たせようとしていますが、安心できる要素は特にありません。こういうの書くと今後改善されるかもしれませんが。

まともな査定より意味不明なキャンペーンが多いもえたく

もえたくはよくキャンペーンをしているのを見かけますが、意味がよくわからないものが多いです。
例えば2018年7月20日(金)~ 9月2日(日)まで開催しているキャンペーンはこんな具合です。



https://www.netoff.co.jp/moetaku/campaign/201807.html

よくわからないのでまとめます。

特典1:31.5万円買取UP
 → 買取点数に応じて買取金額をアップするという特典

特典2:開封済みでも減額なし
 → もともと大幅減額済みレベルの買取額なので特典とは言いづらい

特典3:未開封品なら10%アップ
 → 素直に嬉しいが買取額が安いので焼け石に水

特典4:50人に1人買取金額2倍
 → まず当たらないので意味のない特典

特典5:3万円以上の買取で3000円UP
 → 素直に嬉しいが買取額が安いので焼け石に水

特典6:愛情買取ボーナス5倍
 → フィギュアに対する作文を書かされる上に書いても大した買取額アップには繋がらない
  頑張って書いて300円、奇跡が起きたら1000円のボーナス
  早く手放したい人には嫌がらせの極み、意味がわからないボーナス  

特典7:水着フィギュア1体で+200円UP
 → キャンペーンなので仕方ないが、そもそもまとめ買取で1体あたり+200円UPにしてほしい
  あみあみだとまとめ買取で1体に付き+250円UPなので明らかな下位互換

特典8:水着フィギュア1000体達成でクーポン
 → 達成できたらCP利用者全員に次回買取額1万円UPクーポン
  実施されるかすら不明なのであまり当てにならない(おそらく実施はされる)

もえたくのこういった買取キャンペーンは独創的で面白くはあるものの、このキャンペーンやランディングページの作成に使った予算を買取額に回してくれたほうがよっぽど売りたくなります

愛情買取ボーナスは特に意味がわからなくて、なぜ査定額アップ(しかも数百円)のためにフィギュアに対する作文を書かなきゃいけないのか(恥ずかしい文章でも読まれてしまう)、そしてそれをWEB上で掲載されなきゃいけないのかという話で。

まあ買取額アップしてほしくなければ書かなければ良いという話なんですが、もともとの買取額が安すぎるので書かざるを得なくなります。
個人的には嫌がらせだと思うんですよね、これ。上でも書いたように、フィギュアを買取りに出すのはとにかく面倒くさい作業なのに、さらに面倒くささをアップさせて買取に出そうとする人の気分を萎えさせることにかけては天下一品かもしれません。

別に嫌いだからこんなことを書いているというわけではなく、単純にもっとサービス向上してほしいという話なのです。

ちなみに、フィギュアの買取で調べているとよくもえたくをランキング上位に掲載しているサイトやブログを見かけますが、おそらく広告料目的で上位にしていると思われますが正直、もえたくをランキングに掲載しているサイトやブログ管理者の人も実際にもえたくで売りたいか?というと、「NO」だと思います。安すぎるので。

本当にオススメできるフィギュア買取店は?

で、じゃあ本当に使いたくなる買取店はどこなのか?というとやはりこれも賛否が分かれるところだと思いますが、個人的な条件をまとめてみました。

1.常に相場の最新価格が反映されていること
2.買取価格表ではなく検索で現在の買取価格がすぐ表示できるシステムがあること
3.上記システムに登録されている商品が膨大であること
4.顧客にとって不利益でしかないキャンペーンをやっていないこと
5.買取販売ともに相場との価格乖離が起きていないショップであること
6.送料・返送料・査定料・キャンセル料が無料であること

概ねこのあたりがフィギュアを買取に出すお店の必要条件となるかなと思います。
こうなってくるとかなりお店は限られて、

あみあみ

駿河屋

カイトリワールド

くらいしか選択肢がなくなります。それぞれの特徴をカンタンに説明します。

あみあみのメリット

・送料・返送料・査定料・キャンセル料が無料
・販売買取最大手
・箱まで揃って概ね美品なら参考価格からの減額もそこまでではない。1.5~2.5割引程度、平均で3.5割引くらい。
・まとめ売りで1点あたり+250円となるためどのくらい買取額アップになるのかすぐわかる
・箱無しや破損でも割りと買い取ってくれる
・買取商品がDB化されているため事前にどのくらいの値段になるか予測できる

あみあみのデメリット

・査定が特に厳しいことで有名、多少の傷でも大きな減額につながる

駿河屋のメリット

・状態が良ければ開封済みでも減額なし
・箱なし・破損品・ブリスターなしでも思いのほか値がつく
・買取商品がDB化されているため事前にどのくらいの値段になるか予測できる

駿河屋のデメリット

・査定結果の連絡に時間がかかる
・買取価格があみあみよりやや低い(誤差程度)
・見積価格が3000円以上でないと送料無料にならない
・返送料が自己負担になる

カイトリワールドのメリット

・送料・入金手数料無料、返品はものにもよるが無料
・あみあみ、駿河屋に次ぐ買取価格の高さ
・申し込みから5日間は表示価格での査定となる(急な価格下落の心配がない)
・査定スピードが早い(午前中到着だと当日、午後だと翌日に査定結果がわかる)
・買取商品がDB化されているため事前にどのくらいの値段になるか予測できる

カイトリワールドのデメリット

・必ずしも返送料が無料というわけではない
・会社としての歴は長く15年以上の実績があるが、買取大手というわけではないのでやや不安が残る

…概ねこんなところでしょうか。

まとめ:売りたいフィギュアは基本大手に出すのがベター

カイトリワールドは一応新興系に分類されるサービスかもしれませんが、買取価格は駿河屋と同レベルまたはそれ以上ですので利用してみるのも悪くはないですね。

あみあみは最大手ではあるものの、物によっては大幅減額を食らうので可能な限り美品・未開封を送るべきです。
駿河屋に関しては、汚れているものや破損品などでもそこそこ買値が付くので送ってみるのも悪くはないです。

あみあみだとまとめ売りで1点につき250円プラスになるので、恐らくまとめ売りしたい人のほとんどがあみあみにお世話になるのではないかなと思いますね。

大手であっても癖があるので、適材適所で送ってみるのもいいかも。ただやはりもえたくやにじおうなどの新興買取サービスは売りたい人にとってはかなり渋いサービスだなと改めて感じました。

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