豆知識

作品写真に一瞬で規定箇所に透かし(ウォーターマーク)を入れる方法

たまにはこのブログを活用しよう!ということで、久しぶりに文章を書きます。
前置きがすごく長いので透かし入れる方法だけ知りたい方はここから飛ばしてください。

無断転載されるのはとてもつらい

昨今…というかだいぶ昔からですが、自分が撮影した写真を無断転載されることってありますよね。とりわけ反響の多いものほど無断転載される割合は高まります。

フィギュアの写真などは作品自体もそうですが、背景やシーン、構図を練られて撮影された写真そのものも一つの作品と言えるので、頭をひねったり労力を注いだ作品が勝手に何の連絡もなくあっちこっちに無断転載されているのを見ると頭が痛くなります。

実際に私がレビュー用で撮影したPVC完成品の写真がヤフオク転売用に勝手に使われていたのを見た時は驚きました。
それだけでなく、私が自分で衣装アレンジしたこちらの玉藻の前の写真も勝手に使われていました。(もっとも、これはウェイボーでの話かつコスプレ系衣装に昇華されてるようなのでまあいっか…としました)

また、ガレージキット完成作例としてディーラーさんが撮影した写真も転売に勝手に使われているそうです。
写真の構図やライティング、背景などを考えたりしてようやく撮影できた写真を、何の苦労もなく「転売用写真素材」としてぺぺっと貼り付けられ、勝手に利用されるのは腹立たしいとともにとてもつらいものです。

実際のところ、転載(いわゆる無断引用)自体は「著作権法における引用の範囲」に含まれれば製作者が認めなくても行うことは可能です。
それは引用という形で行われることが必要で、下記の条件を満たすことで可能になります。

 a 引用部分が公表された著作物であること
 b 引用部分と自己の著作物の区分が明瞭であること
 c 自己の著作物が「主」であり、引用部分が「従」であること
 d 「引用の目的上正当な範囲内」であること
 e 出所を明示すること
 f 改変など、引用部分の著作者人格権を侵害しないこと

出典:http://www.ishioroshi.com/biz/kaisetu/chosakuken/index/inyou/

これを満たさないものは無断転載となり、著作権を侵害していると考えられます。
具体的に言うと、

他人の写真の上にかぶせて自分のIDを乗せたり、スカスカの中身のないブログ(キュレーションサイト含む)に他人の撮影した写真を勝手に載せたり、ある程度内容のあるコンテンツに「従」として掲載しても出典を記載していなかったり、さらに勝手にトリミングやリサイズをしていたり…

こういった行為は権利者から指摘されたら口答えはできません。

オークションなどは運営会社が写真無断転載に関心ゼロ

私は昔自分で撮影した写真を多用する商用サイトを運営していたことがあります。その時は無断転載したサイト運営者に連絡を取り写真を削除してもらう、あるいは無断利用した枚数×期間分の利用料金を支払ってもらう(実際に6桁万円支払ってもらった事例があります。)といったことをしていましたが、オークションサイトとなると実際に無断転載者と連絡をとることは容易ではありません。

相手が法人であるならばまだしも、個人ですので簡単にバックレることができますし、そもそも大手オークションサイトであるヤフーはまず利用者と距離をとっており「当事者同士で解決してください私は知りません」という態度ですので、サポートなどは一つも期待できません。(そもそも電話連絡先がなくヘルプを見てもたらい回しにされる時点でお察し…)

違反申告が溜まると出品削除されるようですが、写真無断転載の場合はおそらく「第三者の権利侵害」にあたると思われますが、わざわざそれを申告してくれる人がいるかどうかは怪しいです。存外、写真を撮影した当人や距離の近い人以外は無関心の可能性もあるわけです。恐ろしいですが。

写真無断転載は自力で防ぐしかない

「転載されるのが普通」と性悪説的にものごとを考えるのは少し残念だし、出典元でのみ見てほしいというのは本音ですが、時代がそれを許しません。気がついたらweiboとかに転載されてることもあるわけですから。

写真の拡散を防ぐことができないのは仕方ないとして、ではその出典元を記載してはどうかというのは普通の発想で、多くの方がやっていますし私も写真の右下に大抵このブログのURLを掲載しています。

「だからなんだ?知らねぇよ」と言わんばかりに結局無断転載されるわけですが、それでも出典元がわかるのとわからないのでは雲泥の差があります。なので、自分の写真作品が勝手に利用されて出典元もわからない状態になるのを避けたいのなら、出典元は記載しておくほうが気持ちがラクです。

しかしながら、これをイベント前のディーラーさんがやるべきかどうかはやや賛否が分かれるところと思われます。そして無断転載・転売されるのはすべからくイベント後なわけで、イベント前の告知の時点で出典元記載がないとどうにもならないというジレンマがあります。

写真はきれいに見てもらいたい、でも無断転載はしてほしくないという時残された苦肉の策が、写真の隅っこに透かしを入れるという控えめ主張なわけですが、トリミングされたら意味ないんですよねこれ…。

そういうわけで、見栄えそっちのけで写真のど真ん中に透かしを置く、というのも仕方ないのではないかと思われます。

大量の写真の規定箇所に透かしを簡単に入れる方法

すみません、久しぶりに文章書いてるのですごく長文になりました。
本題ですが写真に透かしを入れる時に一つ一つ入れるやり方もありますが、もっと一度に数枚をバババッと自動で編集してくれると助かりませんか?

そういうときに便利なのが「おてがる画像変換」というソフトです。

→おてがる画像変換(ベクターのサイトへ飛びます)

このソフトの何が良いのかというと、指定した透かし画像などを特定位置に固定して複数枚の写真に一括で貼り付けられるところです。もちろん透かし画像の指定位置は保存できるので、起動ごとに位置変更などする必要はありません。

面倒くさいので先にIrfanviewで指定したサイズに一括リサイズし、その後でおてがる画像変換にて一括透かし追加すると効率が良いと思います。

プレビューを小さく出来ないのだけがネックですが、D&D対応ですし操作は直感的で非常に優秀ですので、これがあれば何枚写真があろうとも全く同じ箇所に自動で透かしを入れることが出来ます。

できる対策の限界までやっても無断転載されるなら…

できる範囲で最大限の対策をしても、転載される時は容赦なくされます。その場合、多分やってる人は何も考えてないだけです。

そもそも無断転載という言葉も知らないのかも知れません。外国だと著作権法の扱いも変わりますので、例えば無断転載しているのがそういう認識(著作権の意識薄い)がない国の人だとどうにもならないですね。

いずれにしても、無断転載をしないでほしいという表明だけはしておいたほうが良いと思います。それは著作物(写真)に直接書くとか自分のサイトに書くとか、あるいはツイッターのプロフィールに書いておくとか…。

そうしないと「使っていいのか」と勘違いする人も一定数いますので(もちろん表明していなくても引用の要件を満たしていなければ無断転載となります)。

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