バニー系のガレージキットはリアルな網タイツ表現をするためにチュールを木工ボンドでパーツに貼り付けるという手法がよくとられます。
代表的なところでは、いなばやさん、うさPハウスさんのサイトでやり方が紹介されていますね。
どうやらこの方法は2010年以前からあったようですが、実際に私が行ってみたところ完成度を高めるには
・チュールをギリギリの幅で一マスずつカットしていける集中力
・ボンドを塗りすぎて塗膜が剥げたりグチャってもドボン繰り返せる情熱
・バックシームの色が移っても気にならない程度の適当さ
が必要になることがわかりました。
しかし、いくらなんでも片足貼り付けるのに3時間位掛かってしまう作業なので二度とやりたくありません。
そこで思いついたのが、「網タイツ貼り付けるんじゃなくんて、網タイツ縫えば良いのでは?」ということ。
昨今のPVC完成品においても網タイツ表現はシャドーを吹いてお茶を濁すというような手法は取らず、実際に縫製された網タイツを履かせています。FREEing(Binding)によく見られる表現手法ですね。これはボンドでくっつけていないので質感も非常にリアル。
参考までに、最近発売されたネイティブの夏海も縫製された網タイツをパーツの分割部分に挟み込みリアルな網タイツを表現しています。
PVC完成品でできることはガレージキットでも当然できるだろうということでググってみても、なぜかガレキのクラスタではチュール貼り付けが主流のようでした。
人形やドールのクラスタでは割と普通に自分で靴下やタイツを制作している人がいますが、このへんは裁縫をやるかやらないかでとれる手法が変わってくるからでしょう。
しかしガレキを組むような人は基本ものすごく手先が器用な場合が多いので、ミシンの扱いなんてすぐに覚えられると思います。ガレキ界隈の今後の網タイツ表現がちょっと変わったらいいなー、なんて思いながら動画を作ってみました。
ミシンで型紙作っちゃえばあとはミシンでダダダダと縫うだけなんで、作業時間は型紙作りにほぼ全振りでいいです。縫うだけなら5分もあればできます。
塗ってスポッとはめるだけ。くの字に曲げた脚パーツの場合、真っすぐ伸ばした型紙をとりあえず作ってそこから徐々に角度を調節する必要はあると思いますが、作れないことは無いと思います。
チュールのボンド貼り付けに苦手意識が強いけど、家にミシンがあるという方はぜひこちらの方法で網タイツを作ってみてもらえればなと思います。
3/18追記
なんかようわかりませんが、ツイッターで短い作り方動画流したら多くの方に知ってもらえたようで嬉しいです。
とても簡単なガレキ向け網タイツの作り方を40秒くらいでまとめた。もっと詳しく知りたい方はつべでどうぞ。https://t.co/HZcO5k769D pic.twitter.com/pTvjiofajU
— 隙間三行(sukima) (@sukimasangyo2) March 17, 2019
なお重要なことですが、このタイツをパーツ間に挟み込む技術はフィギュアメーカーのフリーイングが特許を登録しています。
下記サイトにて「パーツ被覆構造」にて検索することでどのようなものかがわかります。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage
よって、この技術を私的範囲を超えて法人などが営利目的で利用する場合はフリーイングに確認する必要があります。
ただしこの特許がPVCに限定されるのか、あるいはソフビ人形やドール、ガレキなどにも幅広く適用されるのかはわかりません(見る限り特に限定されていない気がする)ので、知財関係に強いツテがある方はぜひ教えてください(他力本願)。
もちろん個人的な制作物に使用するのは全く問題ないと思われるので、気にせずガレキ制作に活用すれば良いんじゃないかなーと思います。